Prologue









世界が、壊れた
幸せだった世界が、壊れた
違う
壊したのは、僕
謝っても謝っても、きっと、足りない



神様、どこにいますか
神様、どこにいますか



後悔の渦巻く檻の中で
迷い込んだ山羊が、泣いている



望まぬ世界の
愚かで、愛しき者達よ
動けぬほどの、あなたの後悔は
全部、俺に被せて欲しい



あなた達には
どうしても、未来に進んでもらいたいんだ



大丈夫
どうせ赦されないのなら
いくつ罪が増えたって、同じことだから



神様、どこにいますか
神様、どこにいますか



神様、彼らを赦してくれますか
神様、世界を愛してくれますか



神様、
神様、



――僕は、貴方にだけは謝らない









＜ハンサイ　ノ　ヒツジ＞

燔祭の羊









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090808