April Fool's Day Revenge!!
朝起きたらティキになっていた。
ミザンは取り敢えずティキのスーツを着て、職員室へ続く廊下を歩いていた。
「面白いことがあるものですねぇ……非科学的ですが、自らがそれを経験しているのだから否定のしようが無い」
ティキの声(森●智之)で呟くミザン。
ガラッと扉を開けると、デスクで作業をしている金髪の青年の背中が目に飛び込んできた。
「(イライア……)」
彼、イライアはミザンの憎き恋敵である。
イライアが来てからというもの、伯爵大先生様のご関心はミザンからイライアへ移行してしまった
――と、ミザンは一方的に思っている。
それなのでミザンは隙があればイライアへの嫌がらせを試みていたが、いつもティキが邪魔をしたり
ミザンが失敗をしたりイライアが勘で避けたりして、一度も成功したことはなかった。
「(でも、)」
そう、ミザンは今ティキの姿なのだった。
イライアとは割と仲の良いティキになりすまし、イライアへ報復する。
これほどミザンにとって好都合なことは無かった。
そろそろと、ミザンはイライアに近付いていく――――――
「ミザン?」
ぴた、とミザンは足を止めた。
目の前にいるイライア(振り返ってはいない)が自分の名前を呼んだからである。
「……」
声を出しそうになって、自分が今はティキなのだということを思い出す。
バレている訳はない、大丈夫だ。
「何だよ、今日は早いな」
デスクワークを続けながらイライアが苦笑する。
イライアの笑顔は、時々ミザンを不快な、なんというか、胸の奥を突き刺すような嫌な気持ちにさせる。
「私は……貴方が、嫌い、です」
言ってしまってから、はっとなった。
こちらを見るイライアの黒い瞳が笑っている――――――
「悪ィ、ミザン。俺……ティキだから」
★そんなバナナ!
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160401