April Fool's Day Revenge!!















「ミザン!」

「おや、珍しいですね、貴方が自分から私の城に入ってくるなんて。
 いつも人体模型が動くだのガイコツが笑うだの言って入ってこないのに」

「お前人の痛い所を……アレは俺が怖がりだとかそーゆーんじゃなくてマジで動いたからだから。マジで」

「馬鹿ですね、動きませんよ。貴方の妄想です」

「絶対何かついてるって。悪い霊みたいなのが」

「非科学的な事言わないでください。いませんよ、そんなもの」

「一刀両断だよ……お前の存在もわりと非科学的だと思うのは俺だけ?」

「ひとりよがりな妄想症候群。一度病院に行った方が」

「お前一応医者だろ。あ、今は教師だっけ」

「それは言わない約束ですよ。台本に書いてあるじゃないですか……医者と言っても今は免許だけです。
 というか、たとえ貴方が泣いて頼んでも診察するつもりはありません」

「さらりと酷いコト言ったよ……!」

「貴方の死体なら診察する気マンマンなんですがね」

「モロに診察イコール解剖じゃねーか。死んでも嫌だよ」

「えー、ぶーぶー」

「ウザッ!」

「ハハハハハ!!」

「……そういえば、ティキ、貴方、何の用で来たんでしたっけ? 私に解剖されたいが為でしたっけ?」

「何自分に都合のいいように解釈してるのかなアンタは。いや、何か大事なコトを伝えに来たよーな……」

「あ、も……もしかして、伯爵大先生様のお伝言とかですか!」

「目をキラキラさせたうえに嬉しそうな笑顔のとこ悪いけど多分違うと思います」

「え、じゃあ私にとってはどーでもいいことですね。ティキ、帰っていいですよ」

「その伯爵先生以外眼中にない思考回路なんとかしろよ……!!」

「自分以外眼中にないティキより100倍くらいマシですよ!」

「誤解を招くようなことを言うな! いつそんなナルシストキャラになったんだ俺は」

「え……登場シーンから?」

「マジメな顔で答え返ってきたよ……ヤベーどうしよう俺」

「ティキといえばナルシスト。ナルシストといえばティキ。世界の常識、自明の理ですよ」

「本人が知らない自明の理ってどんだけー!」

「どんだけー」

「うわ、ノリの良いミザンって怖え」

「失礼ですね、いつも貴方は私に対して失礼ですね」

「そんなことないって。アンタ生理的に受け付けないんだよねとかそんな女子みたいなこと思ってないって」

「……」

「……あ」

「どうしました?」

「今、伝えたかったこと思い出した。『火事だ。逃げろ』」

「……」

「……」

「……マジですか」

「……マジです」









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